地中海・ヨーロッパ戦線に派遣された帝国海軍
2ndシリーズ⑧「平和ボケ」日本の幕開け
我が国が連合国として戦っているとき、中華民国はどうしたでしょうか。
中華民国は大戦勃発の五日後に、欧州大戦中立宣言をしています。英仏露から見て、大日本帝国と中華民国がどう見えるか、一目瞭然でしょう。日本に対しては「もっと貢献してくれ」と駆け引きをしてくるのですが、同盟国であるのは間違いありません。かたや中華民国は、ただの他人です。
ところが、今の外交史の主流は、日英同盟がどんどん形骸化していき、英米一体の中で国際社会から孤立し、などということを平気で言います。英米一体化を言う根拠は、おそらく、一九一一(明治四十四)年の第三次日英同盟で、同盟の仮想敵対象国からアメリカをはずす条文を入れたところに置いているのですが、いかがなものか。
イギリスとしては、ドイツがチャレンジしてくるのでアメリカを敵にまわしたくはないというだけです。メキシコと組んだところで仕方がありません。アメリカというのは、ヒステリーの国です。特にウィルソンなど、最大のヒステリー大統領です。
日本の外交史家に決定的に欠けている視点は、日英仏露は大戦の同盟国であり、当初のアメリカは中立国にすぎないことです。
(『学校では教えられない 歴史講義 満洲事変 ~世界と日本の歴史を変えた二日間 』より抜粋)
次回は、シリーズ⑨控えめ過ぎる二十一箇条要求 です。