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地中海・ヨーロッパ戦線に派遣された帝国海軍

2ndシリーズ⑧「平和ボケ」日本の幕開け

 我が国が連合国として戦っているとき、中華民国はどうしたでしょうか。

 中華民国は大戦勃発の五日後に、欧州大戦中立宣言をしています。英仏露から見て、大日本帝国と中華民国がどう見えるか、一目瞭然でしょう。日本に対しては「もっと貢献してくれ」と駆け引きをしてくるのですが、同盟国であるのは間違いありません。かたや中華民国は、ただの他人です。

 ところが、今の外交史の主流は、日英同盟がどんどん形骸化していき、英米一体の中で国際社会から孤立し、などということを平気で言います。英米一体化を言う根拠は、おそらく、一九一一(明治四十四)年の第三次日英同盟で、同盟の仮想敵対象国からアメリカをはずす条文を入れたところに置いているのですが、いかがなものか。

 イギリスとしては、ドイツがチャレンジしてくるのでアメリカを敵にまわしたくはないというだけです。メキシコと組んだところで仕方がありません。アメリカというのは、ヒステリーの国です。特にウィルソンなど、最大のヒステリー大統領です。

 日本の外交史家に決定的に欠けている視点は、日英仏露は大戦の同盟国であり、当初のアメリカは中立国にすぎないことです。

『学校では教えられない 歴史講義 満洲事変 ~世界と日本の歴史を変えた二日間 』より抜粋)

次回は、シリーズ⑨控えめ過ぎる二十一箇条要求 です。

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倉山 満

くらやま みつる

憲政史研究家

1973年、香川県生まれ。憲政史研究家。

1996年、中央大学文学部史学科国史学専攻卒業後、同大学院博士前期課程を修了。

在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、2015年まで日本国憲法を教える。2012年、希望日本研究所所長を務める。

著書に、『誰が殺した? 日本国憲法!』(講談社)『検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む』(光文社)『日本人だけが知らない「本当の世界史」』(PHP研究所)『嘘だらけの日米近現代史』などをはじめとする「嘘だらけシリーズ」『保守の心得』『帝国憲法の真実』(いずれも扶桑社)『反日プロパガンダの近現代史』(アスペクト)『常識から疑え! 山川日本史〈近現代史編〉』(上・下いずれもヒカルランド)『逆にしたらよくわかる教育勅語 -ほんとうは危険思想なんかじゃなかった』(ハート出版)『お役所仕事の大東亜戦争』(三才ブックス)『倉山満が読み解く 太平記の時代―最強の日本人論・逞しい室町の人々』(青林堂)『大間違いの太平洋戦争』『真・戦争論 世界大戦と危険な半島』(いずれも小社刊)など多数。

現在、ブログ「倉山満の砦」やコンテンツ配信サービス「倉山塾」(https://kurayama.cd-pf.net/)や「チャンネルくらら」(https://www.youtube.com/channel/UCDrXxofz1CIOo9vqwHqfIyg)などで積極的に言論活動を行っている。

 

 

 

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